歯科矯正治療における一般的なリスク

歯科矯正治療における
一般的なリスクと副作用について

*2018年に改正された厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、矯正歯科治療などの自費診療に係るリスクや副作用を情報提供することが求められています。

矯正歯科治療によって多くのメリットが得られる一方で、他の医療行為と同様にリスクや副作用もあります。
偶発症の発生を100%抑えることはできませんが、予測されることは事前にお伝えして、治療中にリスクや副作用が生じた際には、その状況や今後の対処法、治療の可能性などにつきご説明させていただき、可能な限り、望ましい治療結果へと至るように努めて参ります。
お困りの際には、ご遠慮なく、いつでもご相談ください。

  1. ①矯正装置による違和感や粘膜の痛み

    矯正装置を装着すると痛み、違和感を感じることがあります。違和感は2週間前後で慣れることが多いです。口内炎のよう痛みがある場合には、その原因の除去やお薬の塗布をします。

  2. ②歯の移動に伴う歯の痛み

    装置装着や装置調整後、歯が動く痛みを感じます。4〜5時間後から徐々に現れ、2〜3日でピークを迎え、その後、徐々に消失します。
    痛みの感受性は人それぞれですので、患者さまに合わせて調整の程度に緩急をつけたり、痛み止めを服用していただきます。

  3. ③むし歯のリスク

    矯正治療中は、矯正装置が付いているため歯が磨きにくくなり、むし歯のリスクが高まります。
    むし歯の初期段階で、歯の表面が白濁する場合もあります。日々の丁寧な歯磨きに加えて、定期的に歯科衛生士によるメンテナンスを受けて頂く必要があります。どうしても歯磨きが行き届かず、むし歯発生が抑えられない場合には、矯正治療を中断する必要がある場合もあります。

  4. ④歯肉炎や歯周炎のリスク

    矯正装置の周囲は歯磨きが難しくなるため、周囲の歯肉が炎症を起こし、歯肉炎や歯周炎を発生させる場合もあります。むし歯の予防と同様、日々の丁寧な歯磨きに加えて、定期的に歯科衛生士によるメンテナンスを受けて頂く必要があります。

  5. ⑤歯根吸収のリスク

    矯正治療中の歯の移動により、歯の根の先端(歯根)が吸収を起こして短くなることがあります。
    レントゲン撮影で歯根の状態をチェックして、もし吸収が生じている場合にはより慎重に歯の移動様式や術式に配慮する必要があります。

  6. ⑥歯肉退縮、ブラックトライアングルのリスク

    歯並びが良くなるとともに歯肉が退縮したり、ブラックトライアングルと呼ばれる歯と歯の間にすき間が現れることがあります。これはもともとの歯並びや歯の形によって程度やリスクの高さが変化します。

  7. ⑦歯髄充血や歯髄壊死のリスク

    ごく稀に、歯を動かすことで歯の表面がピンクや赤色になり歯髄充血の症状が起こる場合があります。血行障害が進むと歯髄壊死となり神経治療が必要となることがあります。

  8. ⑧顎関節症の可能性

    矯正治療で望ましいかみ合わせを目指して治療を行う途中で、一時的にかみにくくなる場合もあります。矯正治療中の噛み合わせの変化がきっかけで顎関節症を生じる可能性もあります。症状がひどい場合には顎関節症治療を優先することもありますが、顎関節症自体が多因子性の疾患であり、矯正治療が進むとかみ合わせが改善して自然に治る場合もあります。

  9. ⑨治療期間延長の可能性

    歯の動き方や移動速度には個人差があります。また矯正治療中の患者さまの協力度によっても治療期間が増減する場合があります。歯の移動速度は矯正治療を始めてからわかるため、診断時に説明させていただいた治療期間が延長する可能性もあります。

  10. ⑩治療計画変更の可能性

    患者さま自身が着脱をする矯正装置の使用に協力が得られなかった場合や、来院の指示を守っていただけなかった場合など、治療の継続が口腔内の環境にとって良くないと判断された場合には、診断時の治療計画を変更する場合があります。また、骨格的な成長発育の程度によって治療途中で治療計画の再立案が必要になる場合もあります。

  11. ⑪歯の破折や微小亀裂の可能性

    矯正装置を外す時に、歯の破折やエナメル質に微小亀裂が入る可能性、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
    破折した歯については形態修復の必要があります。微小亀裂は元々の歯にも多く見られると言われますので、そのクラックの程度や大きさによって対応が異なります。

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